2011年1月14日金曜日

謎の建造物「祇園閣」(1)

実在する建造物で何か作れないか。
いろいろ探している中で、手持ちの本に京都市東山区にある「祇園閣」の断面図を発見。
これに挑みます。

その前に祇園閣について説明を少々。
以前、友人と京都を訪れたとき、「あの建物は何?」
と祇園閣を指さして聞かれました。

実際、よく分かりません。
資産家・大倉喜八郎が伊東忠太に設計を依頼したもので、
1927(昭和2)年竣工。SRC造3階建て。
大雲院という寺の境内にある仏教の宗教施設です。

でも、造りは八坂神社の祭礼「祇園祭」で巡行する鉾に似ており、
神社っぽい要素を多分に含む建物です。

大倉喜八郎は完成の翌年に死去。
外観の奇妙さともあいまって、「不気味」さすら漂います。
なお、通常内部は公開されておらず、私も入ったことはありません。
映像で見たことがありますが、荘厳というか、不気味というか。
そんな感じの内装でした。

では、建築に着手。
断面図をスキャナーで取り込み、
それをインポートしてガイドとします。







土台です。
細かい部分はさておき、「上物」の建造から始めます。








柱を支える「組物」を作ります。
実際祇園閣を間近で見たことがないので分かりませんが、
祇園閣の場合、コンクリートですから、
「組物」は装飾的な意味合いが強い気がします。







で高欄を支えるように配置。
してみたものの、寸法がどうにも合わない。
結局「組物」の構造そのものを作り替えました。





隅っこはこんな感じに。
非公開施設だけにネット上には接近した写真が少ない。
細かいところはよく分かりません。
そして、構造的に作れません。
ディテールは無視している部分があります。

これはなかなか厄介な建物です。

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