実在する建造物で何か作れないか。
いろいろ探している中で、手持ちの本に京都市東山区にある「祇園閣」の断面図を発見。
これに挑みます。
その前に祇園閣について説明を少々。
以前、友人と京都を訪れたとき、「あの建物は何?」
と祇園閣を指さして聞かれました。
実際、よく分かりません。
資産家・大倉喜八郎が伊東忠太に設計を依頼したもので、
1927(昭和2)年竣工。SRC造3階建て。
大雲院という寺の境内にある仏教の宗教施設です。
でも、造りは八坂神社の祭礼「祇園祭」で巡行する鉾に似ており、
神社っぽい要素を多分に含む建物です。
大倉喜八郎は完成の翌年に死去。
外観の奇妙さともあいまって、「不気味」さすら漂います。
なお、通常内部は公開されておらず、私も入ったことはありません。
映像で見たことがありますが、荘厳というか、不気味というか。
そんな感じの内装でした。
では、建築に着手。
断面図をスキャナーで取り込み、
それをインポートしてガイドとします。
土台です。
細かい部分はさておき、「上物」の建造から始めます。

柱を支える「組物」を作ります。
実際祇園閣を間近で見たことがないので分かりませんが、
祇園閣の場合、コンクリートですから、
「組物」は装飾的な意味合いが強い気がします。
で高欄を支えるように配置。
してみたものの、寸法がどうにも合わない。
結局「組物」の構造そのものを作り替えました。
隅っこはこんな感じに。
非公開施設だけにネット上には接近した写真が少ない。
細かいところはよく分かりません。
そして、構造的に作れません。
ディテールは無視している部分があります。
これはなかなか厄介な建物です。